エデン日和

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井上準之助の「金輸出解禁」と「日本改造法案大綱」

浜口雄幸内閣を調べていましたら、「金輸出解禁」の話が出てきました。この言葉、大学生の時以来ですかね。懐かしい。

 

金輸出解禁とは、要は金本位制への復帰なんですが、時期尚早だったみたいですね。浜口内閣は庶民置き去りの政策を断行してしまった模様です。

 

具体的な施策としては、緊縮財政による「輸出品目の価格を低めにして国際競争力を高める」ことと、「産業合理化」、つまりリストラです。

 

ただ、日本円の価値を落としたくないという理由で、旧平価(解禁前の相場)で解禁したので、実質的に円高に振れ、輸出企業は大打撃を受けます。しかもニューヨーク・ウォール街の暴落から始まる世界恐慌というダブルパンチ。緊縮財政とはデフレ政策ですから、農産物の価格も下落。農民の生活に悪影響を与える始末。都会では失業者があふれ、農村では苦しい生活を余儀なくされる。いわゆる昭和恐慌です。

 

農村の惨状を見ていた田舎出身の青年将校たちが、国家社会主義に傾倒して軍国主義に突っ走るのも説明が付きます。面白いのは、彼らの思想を作った北一輝の『日本改造法案大綱』が、戦後のGHQの施策として実現していくところ。社会主義的な施策が戦後日本を作り、「日本は世界で成功した社会主義国」だといわれる所以になるのでしょうか。

 

受験勉強の時は単なる暗記だったんですが、今こうして学んでいくと、深い所まで到達できますね。「なぜ時の政権が旧平価にこだわったのか」「世界恐慌が起こるタイミングでなぜ解禁したのか」といったところは誰かと議論したいところです。