エデン日和

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なぜ私が日本史に惹かれるのか?「保元の乱」「応仁の乱」「松方デフレ」をもとに考える

私がなぜ日本史に惹かれるのか?もともと時代劇(「大河ドラマ」「水戸黄門」...etc)が好きだったからというのもあるが、「現在との共通点を見出すのが楽しいから」というのも理由の一つ。

 

「歴史は繰り返す」ではないが、今起きていることと同じことが過去にも起きている。その、過去と現在の比較が面白いのだ。大昔の人々の思考(行動)と、現在人の思考(行動)に共通点があるというのは、非常に興味深い。現に、「日本史に学ぶ~」とか「戦国武将に学ぶ~」といった本が売れている。人は、歴史上の出来事・人物から何かを学びたいのではないだろうか?

 

そこで今回は、現代と共通点のある日本史上の出来事・事件を見てみることにする。なお、詳細に関しては河合敦著『早わかり日本史』などを参考にした。

 

現代と共通点のある日本史上の出来事・事件

1.保元の乱

1156年(保元元年)に京都で起こった内乱である。鳥羽法皇崩御後、崇徳上皇後白河天皇が対立、武力闘争に発展した。争いは摂関家*1や武士をも巻き込んだ。摂関家では藤原頼長が崇徳方、藤原忠通が後白河方についた。武士に関しては、崇徳方には源為義平忠正が、後白河方には源義朝平清盛*2がつき、衝突。結果は後白河天皇による勝利で終わるが、この乱によって武士の台頭が顕著になり、平氏政権の誕生につながっていく。

 

この対立のもととなった崇徳上皇天皇)と後白河天皇の対立であるが、そもそも崇徳天皇鳥羽上皇の第一皇子だった。しかしある時、鳥羽上皇から弟(体仁親王。のちの近衛天皇)に譲位するよう言われる。崇徳天皇は、自分の子である重仁親王近衛天皇の次の天皇にすると約束して退位したが、近衛天皇の死後、鳥羽上皇は約束に反して弟の雅仁親王(のちの後白河天皇)を即位させてしまう。それが確執となった。

 

なぜ鳥羽上皇がそこまで崇徳天皇を冷遇したのか?実は、鳥羽上皇崇徳天皇を自分の子どもと思っていなかったらしい。なぜなら、自分の妻と祖父(つまり白河法皇)が不倫をしてして、それでできたのが崇徳天皇だったと考えていたからだ。近年も芸能人や政治家の不倫が世間を騒がせていたが、860年前も不倫を原因とする事件が起きていたのである。「政治と不倫」という共通項も似通っている。結局のところ、人間の業(ごう)は変わらないということである。

 

 2.応仁の乱

1467年(応仁元年)に起こった細川氏*3と山名氏の戦い。最近本が出たので何かと話題の戦いである。戦は11年も続き、結局勝敗がつかずに戦国時代へと突入していく。

 

戦の発端は足利義政室町幕府8代将軍)と正妻・日野富子である。二人は結婚後、しばらくは跡取りが産まれなかったので、義政は弟の義視を後継者とした。しかし、その後富子が男児(義尚)を出産。富子は義尚を将軍にしたいと考え、山名持豊に接近する。対して義視は細川勝元に助けを求めた。ここで山名氏と細川氏の対立が生まれる。さらに山名氏と畠山義就斯波義廉管領家*4)が同盟を結び、細川氏畠山政長斯波義敏も同盟を結んだ。諸国の守護大名*5を巻き込んだ戦いは、京都を焦土にし、戦乱の世へと移っていく。

 

この戦は、日野富子がどうしても自分の子どもを将軍にしたいと考えたことが発端。こういった後継者の対立が日本史には多い。一橋派と南紀派が争った「将軍継嗣問題*6」もそうである。最近でも、神社の後継者争いで殺人事件が起きた。まさに、歴史は繰り返している。

 

3.松方デフレ

明治時代、大蔵卿であった松方正義*7によって行われた緊縮財政である。1881年より実施された。当時西南戦争*8による出費で財政難に陥っていたため、政府は何らかの対策をする必要があった。しかも戦費を不換紙幣(金や銀などと交換できない貨幣)で賄っていたことから、インフレーション*9に陥っていた。

 

そこで、増税(煙草税や酒造税*10)によって歳入を増やし、不換紙幣の回収による歳出削減を行った。結果、政府財政は好転したが、流通する貨幣量は減少し、物価が下落。激しいデフレーション*11突入してしまう。農産物(特に繭)は下落し、農村は困窮した。

 

その結果、都市に流入して資本家のもとで労働者となるものや、自作農から小作農*12に転落する者が急増した。その一方で、一部の農民は没落農民から安く土地を買って地主へと成長したり、高利貸に転じるものもいた。 寄生地主*13・高利貸という「勝ち組」と、小作人・労働者という「負け組」の格差社会が生まれるのである。

 

デフレによる格差社会の発生。これはまさしく平成時代に起きている。物価の下落によって企業は減収減益になり、賃金カットやリストラに向かう。資本家はますます豊かになり、労働者は困窮する。時代背景こそ違うものの、デフレと格差社会の関係性では類似しているといえる。

 

 

今回は日本史の出来事を3つ紹介し、現代との共通点を探った。歴史は過去の出来事ではなく、今まさに起きていることなのだ。歴史を趣味として学ぶだけではなく、今との共通点を見つけてみるのもまた学び方の一つではないだろうか?

*1:摂政・関白に任ぜられる家柄。平安時代は藤原(藤原北家)が独占。藤原道長による摂関政治が有名。後年、近衛家ができるが、あの近衛文麿の先祖でもある。

*2:日本で最初の武家政権を作った人。太政大臣。2012年の大河ドラマの主役でもある。

*3:後の総理大臣・細川護熙の祖先でもある。

*4:足利氏一門の斯波氏・細川氏・畠山氏が就いた職

*5:室町時代に領国の武士を被官化し,地域的封建権力を確立して大名と呼ばれた守護。守護は1185年に源頼朝によって置かれた。

*6:徳川13代将軍・家定の跡継ぎを巡って起こった争い。ペリー来航後、攘夷論の中心的役割を果たしていた水戸藩は、藩主・徳川斉昭の子である一橋慶喜(のちの徳川慶喜)を推挙。対して井伊直弼を中心とする保守派・大奥は、紀伊藩主の徳川慶福(後の徳川家茂)を擁立した。結果として家茂が14代将軍となったが、その後の粛清(安政の大獄)による反発で、井伊は桜田門外で暗殺される。

*7:薩摩藩士。公爵。日本銀行を設立した。

*8:西郷どんこと、西郷隆盛を盟主として起こした武力反乱で、日本で最後の内乱(2018年現在)。あの新選組斎藤一も政府軍として参戦している。

*9:貨幣の流通量が増えて物価が上昇している状態。黒田日銀はこのインフレ状態を目指している。

*10:すでにこの頃から酒とタバコが増税の標的になっていたことがわかる。

*11:貨幣に比べて商品の量が多い状態。商品の量が多いので、物価は下落する。

*12:小作とは一定の代価を払って他人の土地を耕作すること。第二次世界大戦後のGHQによる農地改革によって解放された。

*13:農民に土地を貸し付けて小作料を取り立てるだけで、自らは農業にたずさわらない土地所有者。