エデン日和

現役ライターが、普段書けない駄文を徹底的に公開するブログ

2005年、夏、大学生。その時から格差は始まっていた。

2005年というと、私は大学1年生。知らない人ばかりだった4月とは異なり、夏休み直前頃には仲良しグループが形成される。私も4人のグループでいつも行動していた(しかしながら単独行動が好きな私は、時折一人で図書館で寝ていた)。

 

グループには私とヨロズ(仮名。現・某大手企業の課長補佐)とヒッピ(仮名。現・裁判所勤務)とルイ(仮名。現・専業主婦)がいた。みんな出身県も異なり、様々なお国言葉が飛び交う会話を私は密かに楽しんでいた。

 

親の職業も違った。ヒッピはごく普通の中流階級の出身だったが、ヨロズの家はお姉さんが音大、お兄さんが某私大に通っているということもあって、学費は奨学金から払っていた。ほかのメンツが知らないだろうが、私は彼が何度も学生課に通い、奨学金の相談をしていたのを知っていた。

 

対してルイは、親が代々続く料亭を経営しており、いわゆるお嬢様だった。頭はいいんだろうが、いささか常識はずれなことを言う娘だった(うまい棒を知らなかったのには驚いた)。 

 

 そして事件は起きる。

 

4人で学食に行ったときのこと。午後はどこに行くかという話になった。その時ヨロズは「あ、学生課に行ってから合流するわ」と言った。

ルイはヨロズが単位を落としたのかもと思ったらしい「え?単位落としたの?」と言った。

ヨロズは「いやいや、奨学金の相談をしようかと…」と言った。

そこでルイはパワーワードを言った。

 

奨学金ってなに?」

 

その場は凍りついた。ルイを除いて。

 

ヨロズは一瞬、苦虫を噛みつぶしたような顔をしたが、すぐに笑ってこう言った。

 

「まあ、借金だね」

 

私とヒッピはただ沈黙するしかなかった。

 

あれから13年。みなそれぞれの道を歩んでいる。奨学金で学生課に通いつめる学生と、奨学金の存在すら知らない学生が同じ学び舎にいることの不条理さ。私たちは大学4年まで一緒に遊んでいたが、裏ではギクシャクしていたのかもしれない。

 

ヨロズは今、大手企業でバリバリ働いている。奨学金を返済しながら。

対してルイは、タクシー会社を経営するご子息と結婚し、専業主婦になったらしい。タクシー会社と料亭はシナジー効果を生むとか生まないとか。今、ルイの家の料亭は弟が取締役として入り、家族経営をしているとのこと。

 

 

やはり教育で負債を抱えるのはおかしい。上の話は国公立での話だから、私立だったらもっと格差があるのかもしれない。大学までは無償化にしている国も多いが、日本だと財源がないのだろう。モリカケ問題だけをやっている場合ではない。何らかの是正措置が求められる。