エデン日和

現役ライターが、普段書けない駄文を徹底的に公開するブログ

大学生の頃にコールセンターでバイトをしたら、社会人3年目くらい稼げた話

大学生の時、電話のオペレーターのアルバイトをしていた。
しかし、いわゆるテレアポではなく、104(電話を掛けると、知りたい電話番号を教えてくれるサービス)のオペレーターだ。利用者は104と押すと、私たちオペレーターに繋がり、電話番号を伝える。もちろん電話番号はNさんが発行している電話帳に掲載されているもののみの案内で、個人情報が流れることはない。


当時、散歩ぐらいしかすることのなかった私は、104の求人票を発見。時給がかなり良いと思ったので即応募した。電話のオペレーターなんぞできるのかわからなかったが、そこは大学生のノリでやってみることにした。

 

最初は研修から始まる。分厚いテキストを渡され、12畳ぐらいの部屋に案内される。そこには学校の視聴覚室のような1人分の机数個と電話機、そしてマイク付きのヘッドセットが置いてあった。

 

同期は6人いた。フリーターの方から専門学校生まで幅広く揃っていた。なかには育児から復帰された女性もいた。前の席に座っていた専門学校生とその日のうちに仲良くなり、何度か飲みに行くようになる。

 

研修は、実務を意識したものだった。教師がお客さま役になり、生徒である私たちに電話を掛けてくる。それに対して応対していくというのが一連の流れだ。最初は簡単なコミュニケーションから始まったが、徐々に複雑なやりとりが増えていく。数週間ののち、現場に投入されるという流れだ。

 

実際の電話のやりとりは以下の通り。


1.「はい、104の○○(名前)です」と答える(もしくは「104の電話番号案内でございます」というパターンもある)。
2.お客さまが「▲▲(地名)にある@@(店名、会社名など)を教えて」と聞いてくる。
3.眼の前のPCで電話番号を検索する。この会社には専用のデータベースがあり、画面上のフォームにその▲▲と@@を入力する。
※ここで、地名が細かすぎる(集落の名前など)場合は検索しても出てこないので、「恐れ入りますが✕✕市でよろしいでしょうか?」と、市町村レベルでの確認をする。
4.検索結果が出てくるので、その中から該当しそうなものを選んで「それでは@@の電話番号を読み上げます。12-3456-7890です。ご利用ありがとうございました」でクローズ。
※もしくは自動音声での電話番号読み上げ対応もできる。F1キーを押せば自動対応が開始する。

これが一連の流れ。一般的には1時間に40~50案内ができれば良いとされているが、私は1時間に55案件をさばいたため、インセンティブ報酬として時給がアップした。

 

しかしながら、人間相手なのでなかなか円滑に仕事を進められるというわけではない。

 

電話番号案内の面倒ないろいろ

地名ではなく、「コンビニの隣りのところ」など、漠然とした情報しかくれない

オペレーターが見ている画面は、実は検索窓しかない。お客さまはGoogle Mapのような精密な地図が出ていると思っているようだが、実は原始的なのだ。
なので、「コンビニの隣りの~」とか「学校があそこにあるでしょ?」といった情報では検索できないのである。

そういう場合は、「恐れ入りますがXX市の所でしょうか」と聞いて、検索結果を探す。

全国のお客さまを対応しているので、地理関係がわからない

104の利用者の方には意外かもしれないが、実はオペレーターは全国のお客さま対応をしている。私が入った時は、全国に2拠点しかなかった。
そういうわけなので、地理関係がわからない。画面の検索窓は市町村レベルから検索できる仕様なので、とにかく市町村がわからないとどうしようもない。

だから「なんでそんなことも知らないの?この町にスーパーはあそこだけでしょ?」と怒られることもある。利用者は同じ市町村で対応していると思っているのだ。

訛りが理解できない

電話でしか情報がもらえないので、訛りがあると聞き取りにくい。全国にはいろいろな訛りがあるので、耳を研ぎ澄ませて地名と会社名等を聞き出す。しかし、それでも聞き取りにくいこともあるので、想像力を働かせてなんとか案内する。

東北地方と関西地方と沖縄地方の方は、大変申し訳ありませんが難易度が高い。何度も聞き返して、ようやく案内できた。

「なんだ男かよ」と怒られる

オペレーターのほとんどは女性。なかには異性を意識して電話してくる○○がいる。それで私のような男が出ると、「なんだー男かよ」と理不尽に怒られる。

104はテレ○ラではない。というか、日中に電話を掛けてくるあたり○○だと思った。色んな人がいるものだと、この仕事を通じて学んだ。

「あの子、出勤してるんでしょ?代わってよ」と言われる

こちらも異性を意識した発言。というかセクハラ。以前に案内した女性の声が魅力的だったのか、執拗にその女性に代わってもらいたいと懇願する人がいる。
そういうときは、SV(スーパーバイザー)に電話を代わってもらう。この類の電話は、通称「H電話」と呼ばれていた。

「いい声ですね」と男から言われる

私はそんな自覚はないのだが、時々男性のお客さまから「いい声ですね」という感想を頂いた。ショーンKじゃあるまいし、そんなの嬉しくねえよと思ったが、「ありがとうございました」と言っておいた。

 

このバイトをしてよかったこと

地理に詳しくなる

このアルバイトを経験すると、異様に地理に詳しくなる。例えば中央区は8つあり(現在は10つ)、北区は10個ある(現在は12個)など。○○区がどこにあるか知っていることで、ほかの情報(その地域にしかないチェーン店など)と組み合わせて検索スピードを向上させることができる。もちろん区に限らず、「広島市北広島市が全く別のところにあること」「品川駅は港区にあること」などの知識があると強い。

難読地理に詳しくなる

岐阜県の「各務原(かかみがはら)市」や茨城県の「行方(なめがた)市」など。特に沖縄の地名に詳しくなった。玉城村(たまぐくすそん)とか城辺保良(ぐすくべぼら)とか…。

太秦(うずまさ)」「生琉里(ふるさと)」「頂吉越(かぐめごし)」など、挙げるとキリがないくらい。このバイトを本業にしたら、地名博士になれると思った。

 

  

時給が良かったので、週3~4回は飲み会に行った。今考えれば、一番生活に余裕のあった時期だったのかもしれない。社会人3年目くらいは稼いでいたと思う。羽振りは良かった。

 

ただ、私がこのバイトをやめた数カ月後にリーマン・ショックが起きる。かつての同僚はどうなったのか気がかりである。よく考えれば機械で代替できる仕事。今後はAIが担っていく仕事なのかもしれない。